4月21日放送のNHK「おはよう日本」の番組内「おはビズ」(6:40ごろ)で、
「リモートワークとハンコ」「シヤチハタ社など電子印鑑を無料開放」について報道がありました。
当会が番組の制作に協力した経緯についてご説明いたします。
放送の前週に、同番組の制作者より「業界側の意見としてJS会のコメントが欲しい」と取材交渉がありました。そこで、印章業界の経営者団体として小林彰男代表が取材に応じることといたしました。
事務局としては、取材の過程でNHKの同番組記者と放送内容について打合せを行い、以下の3点を主張した上で公正な報道をおこなうようお願いしました。
〈1〉「ハンコがテレワークの阻害要因である」という報道は一部の街頭インタビューから切り取っただけの正確性、公平性のない情報です。実際に日本経団連が会員企業に対しておこなった調査では、「テレワーク実施の障害要因としては『情報管理を含めた業務の性質』という回答が74・8%」という結果が出ています。東京商工会議所も同様の結果を公表しています。
すなわち、テレワークの阻害要因は外部からアクセスできない情報システムとセキュリティ性なのです。
それにも関わらずハンコだけを元凶のように報じるのは、視聴者受けするキャッチ―なネタにしたいがため、ハンコをスケープゴートにしていると言わざるを得ません。
〈2〉それでもなお「テレワークの阻害要因がハンコである」というのであれば、それは「紙文書によるアナログ決済、認証を得るためにわざわざ出勤しなければならないためテレワークできない」と正確かつ丁寧に報道すべきです。ハンコだけを槍玉に挙げるのではなく、紙文書、ファックス、筆記具、署名など紙文書の認証決裁において利用されているあらゆるアイテムを阻害要因として挙げなければ公平ではありません。
〈3〉このような、正確性を欠く報道によって、印章業界には一部の消費者から理不尽な抗議を受けたり風評被害にあっており、貴番組の影響力を考えれば今後もそういった業界への被害が拡大する恐れがあります。
以上の、主張を添付した上で、小林彰男代表のコメントを番組に送りました。以下の画像はその全文です。
実際の放送では、この中からの一部分を以下のように放送されました。
「電子化そのものに反対ではない」
「高齢者などITに慣れておらず手続きに困る人のためにも実物の印鑑を残すべき」
また、それを紹介するアナウンサーも口頭で
「とは言っても私もハンコが好きですし、永年の慣例もあるからすぐにはハンコはなくならないでしょう」
と補足がされました。
今後も、全国印章業経営者協会では、報道機関に協力しつつ、日本の印鑑制度に関する正しい情報を発信することに努めて参ります。