全国印章業経営者協会(略称:JS 会/代表幹事:小林彰男)は、2022 年を振りかえって一番印象の深かった出来事を絵柄として彫刻したハンコ『歳の印』を製作し、2022 年12 月16 日に発表しました。
■武力に屈せず平和な世界にしよう、というメッセージ
2022 年の「歳の印」の絵柄は、一般公募から選ばれた市岡哲夫さんの作品です。今年2月に始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻は未だ解決を見ず、2022年を通してその報道を目にしない日はなかったと言っていいでしょう。また資源不足や円高などその影響は私達日本人の日々の生活にも及びました。世界中が大国による軍事侵攻に恐怖を感じ、平和の大切さを実感した年でもありました。
審査員長を務めた弊会・小林代表幹事はこの作品を選んだ理由について、次のように講評しています。
「市岡さんの作品はウクライナ侵攻という不幸で重苦しいテーマを取り上げながらも、明るさを感じるデザインです。それは『NO WAR』という文字を掲げて戦車に立ちはだかる民衆の姿に希望を感じるからでしょう。武力に屈せず平和な世界にしよう、というメッセージが込められています。2022年は『軍事侵攻があった年』として記憶されるのではなく、『世界が平和を訴えた年』としたい、そう考えてこの作品を歳の印に選びました」。
■今年は賞金、優秀賞は「大谷翔平・SHO TIME!」
今年の「歳の印」は、初の試みとしてハンコに彫刻するイラスト・デザインを一般から公募しました。公募は9月16日~11月10日まで、JS会の公式HPやコンテスト情報サイト「公募ガイドONLINE」(運営:㈱公募ガイド社)でおこないました(応募総数は26点)。
11月18日に東京・赤坂にてJS会員による審査会が実施し、最優秀賞、優秀賞を各1点ずつ選びました(優秀賞2点のうち1点は該当無し)。
最優秀賞に選ばれた市岡哲夫さんには、JS会より賞金30万円を贈呈します(贈呈式は12月23日のに実施する予定)。また、優秀賞には米大リーガー、大谷翔平選手の「104年ぶり2ケタ勝利・2ケタホームラン」をテーマにした武島理恵さんの作品(下)が選ばれました。
■『 歳の印 』とは ~ ハンコは便利で楽しい日本の文化です
年末が近づくと、「1年の世相を表す○○」、という様々な取り組みがおこなわれますが、 『歳の印』は日本の文化である印章(ハンコ)で世 相を表現するものです。しかも、一流のハンコ職人が風格を与えた表現で製作し、毎年発表することで『歳の印』がその年のシンボルマークの ように記憶されることを願っています。数年後にこの印影(ハンコを捺したもの)を振り返ったとき、「そうそう、これって 2020 年だった」「あの年 の絵柄はコレだったよね」と話題にして頂けるようになれば幸いです。