今年の世相を表すハンコ
2019年『歳の印』絶賛製作中! 日本の元号248、ぜんぶ彫ってます!
「歳の印」の彫刻、彫りあがりまでもう少しとなっておりますが・・・
今年はそのプロセスも楽しんでいただこうとYouTubeで動画もアップしていますので、
ぜひご覧ください。
◎「歳の印」を製作する動画はこちら→ YouTube http://j.mp/2PSF1Rs
今回で3回目になる「歳の印」ですが、共通するのはいずれも「密刻」と呼ばれる特殊なハンコ。読んで字のごとく「緻密に彫刻されたハンコ」です。
その製作の大変さはもちろん細かさにありますが、なぜ細かいのが大変なのか? を具体的にご説明します。
■「歳の印」ハンコ職人誰もが彫れるわけじゃない
今年の「歳の印」は9㎝の角印に506文字。単純計算で1行が21~23文字ほど。
90㎜÷21=4.3㎜。なんと4.3㎜のマス目に1文字を彫るんですよ。
それがどれくらい小さいか、具体例を挙げます。ハンコの種類で訂正印ってご存知ですか?
小さい楕円形の中に名字が2~3文字彫ってある、文字の訂正に使うとても小さいハンコ。
ちょうどあの文字くらいです。それが506文字。「ハンコ職人なら簡単だろ?」って思われるかもしれませんが、いやいや、誰でも彫れるわけじゃないんです。実際のハンコ職人さんに意見を聞いてみると、「職人になって1年そこそこの技術では密刻は彫れません。かといって、歳を重ねて細かいところが見えづらくなってしまっても彫れません。つまり、確かな技術があり、かつ若さが必要なのです」。
■「歳の印」彫刻に必要なのは技と心
これまでの「歳の印」は上野動物園のパンダ「香香」やスーパーボランティアの「小畠」さんの絵柄でした。絵柄はその名の通り柄(がら)ですから、非常に細かい箇所が多く、視力の限界を超えて見えなくて大変です。
一方で、今回は文字の数が途方もない。文字は筆による線の強弱を表現する必要がありますから、絵柄とは違った意味で大変です。
つまり「歳の印」製作には、正確無比な刃物さばきと、失敗を恐れず刃物を突っ込んでいける大胆さも必要とします。
しかもそれを数十時間と継続させなくてはなりません。それらすべてをクリアして彫刻を完成させることができる職人が、果たして何人いるのでしょうか? それを可能とするのは、ごく限られた職人だけでしょう。
■途中経過こそ見てほしい
今回はみなさんと一緒に完成までの道のりを見ていく「歳の印」です。
完成されたハンコが一つの作品としての凄みを放つのはもちろんですが、むしろそれよりも、その途中の段階にこそ注目していただきたいのです。
だってそこには、これまで歩んできた道と、これから進むべき道の両方が示されていますから。
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