全国印章業経営者協会(略称:JS会)は、2018年を表す絵柄をハンコにした「歳の印」を12月11日、東京・渋谷の「ヨシモト∞ホール」で発表しました。。「歳の印」とは、その年々の世相を印章職人の技術で表現するプロジェクトです。
捺印式は、JS会代表幹事の松島寬直氏の挨拶ではじまり、2018年に活躍した吉本芸人4組(ジャルジャル、和牛、チョコレートプラネット、ガリットチュウ)が舞台に登場。この中から、歳の印を色紙に捺す「捺印人」が1組選ばれます。
その前に、ハンコの最新アイテムとして、曲がらずに捺せるハンコ「プロジェクタースタンプ」を紹介しました。印面の絵柄は4組(8人)の似顔絵と名前を組み合わせたキモカワイいデザイン。プレゼンターとして同商品を開発した㈱天野製作所の担当者がLEDで印影が光る仕組みを説明すると、芸人達からは「光る発想がスゴイ」、「暗い場所でもサイン色紙に捺せるよね」、「SNSのアイコンにつかってもいいかも」と好評価。さらに、会場もユニークな表情の似顔絵に盛り上がって、和牛の水田さんは「ハンコだけでこんなに笑いが取れるなんて」とコメントしました。
続いて2018年「歳の印」が発表される。どんな絵柄をモチーフにしたのか、芸人達が「平昌オリンピック」「大谷翔平」「パワハラ問題」などと予想した後、捺印人に選ばれたのは、チョコレートプラネットのお2人。今年ブレイクしたIkkoと和泉元彌のモノマネの扮装のまま「歳の印」を色紙に捺印していただきましたチョコプラのお2人が捺印した色紙を会場に見せると、36㎜角の小さな枠の中には、タオルハチマキにヘルメットを片手に持ったオジサンの姿が……。そう、今年の歳の印の絵柄は、西日本豪雨の被災地などでスーパーボランティアとして話題になった「尾畠春夫さん」です。
JS会は、尾畠さんを選んだ理由について、次のように説明しています。
「今年は西日本豪雨や北海道東部地震など自然災害が多くありましたが、被災地の辛く大変な状況が報道される中で、尾畠さんが遭難した2歳の男児を救出したり、被災地でボランティア活動されている姿が報じられたことで、日本中が元気づけられた。そもそもハンコは長く大切にしていくもの。『歳の印』も、尾畠さんを刻むことによって日本人が忘れてはならない絆や共助といった大切な心を伝えたいと考えました」。
また、今年の「歳の印」を製作したハンコ職人についても紹介がありました。製作中の画像が映し出されると、芸人や観客だけでなく裏方のスタッフからも「技術がすごい!」、「彫刻がめちゃくちゃ細かい」と、その彫刻技術に驚きの声が上がりました。
JS会では、今後も「歳の印」を続けていき、「今年の漢字」ように、消費者が楽しみにしてくれる歳末の風物詩に育てたいと考えています。来年、2019年の歳の印も、ぜひ楽しみにして下さい。