全国印章業経営者協会(略称:JS 会/代表幹事:小林彰男)は、2024 年を振りかえって一番印象の深かった出来事を絵柄として彫刻したハンコ『歳の印』を製作し、12 月20日に発表しました。
■新旧一万円札の交代が一目で分かる品格あるデザイン
2024 年の「歳の印」の絵柄は、一般公募から選ばれた一般公募から選ばれた堀岡ゆいさんの作品です。今年7月3日に発行が開始された新紙幣がテーマで、紙幣を模した背景に新一万円札の渋沢栄一と旧一万円札の福沢諭吉の肖像が描かれたデザインです。
審査員長を務めた弊会・小林代表幹事はこの作品を選んだ理由について、次のように講評しています。
「2024年はお金にまつわるニュースが多い年でした。新紙幣発行以外にも、政治と金の問題、闇バイトに代表される金目当ての窃盗事件など。中でもお札というのは経済を回す重要な役割を担っており、それが刷新されることが時代が変わるきっかけの年と記憶されるだろうという思いがありこのテーマを選びました。新紙幣発行をモチーフにしたものは他にもありましたが、新旧1万円札両方の肖像や額面の数字等の違いを描くことで『切り替わり』が一目で分かります。また正方形の中に上手く収めた『ハンコらしさ』も素晴らしかった。捺印した際の品格を感じ、最優秀賞に選びました」。最優秀賞に選ばれた堀岡氏の作品には賞金10万円と副賞が贈られます。
■佳作には大谷翔平選手、ノーベル平和賞受賞、パリ五輪など
今年の「歳の印」のイラスト・デザインは一般から公募をおこない、年齢、プロ・アマを問わず幅広い皆様から131点の作品が集まりました(公募期間は9月18日~11月8日まで、公募ガイドONLINEなどで告知)。
11月20日に東京・秋葉原にてJS会員による審査会を実施し、最優秀賞1点と優秀賞5点、佳作20点を選びました。優秀賞に選ばれたのは、山内健司さん、藏冨智美さん、政角勝雄さん、平川功さん、北川彩さんの5作品です。小林審査員長は今回の歳の印について、
「今年は大谷翔平選手の活躍やパリオリンピック、ノーベル平和賞受賞など明るいテーマの作品が多く寄せられました。楽しく夢のあるハンコの可能性が広がったと思います」。
■『 歳の印 』とは ~ ハンコは便利で楽しい日本の文化です
年末が近づくと、「1年の世相を表す○○」という様々な取り組みがおこなわれますが、 『歳の印』は日本の文化である印章(ハンコ)で世 相を表現しようと、全国印章業経営者協会(略称:JS会)が毎年おこなっているものです。これまでも「大化」から「令和」まで248全ての元号(506文字)を9㎝角の角印に完全手彫りしたり(2019)、アベノマスク(2020)や東京オリンピック2020大会(2021)などをモチーフにしたハンコを製作してきました。
数年後にこの印影(ハンコを捺したもの)を振り返ったとき、「そうそう、これって 2023 年の出来事だった」「あの年 の絵柄はコレだったよね」と『歳の印』がその年のシンボルマークの ように記憶されることを願っています。