全国印章業経営者協会（略称：JS 会／代表幹事：小林彰男）は、2020 年を振りかえって一番印象の深かった出来事を絵柄として彫刻したハンコ『歳の印』を製作し、2020 年12 月9 日（火）に発表しました。
■歳の印2020は『アベノマスクと2人の総理』
2020 年の「歳の印」は、今年の9 月16 日、第99 代内閣総理大臣に就任した菅義偉 氏と前総理である安倍晋三 氏をモチーフとしました。
夏には東京オリンピックが開催される予定で、それに伴うインバウンド需要など明るいムードで新年を迎えた2020 年でしたが、2 月以降は世界的な新型コロナウイルスの感染拡大により暗く厳しい世相となりました。3 月末には東京オリンピックの1 年延期も決まり、志村けんさんをはじめとする有名芸能人がコロナウイルスによって死亡。5 月には緊急事態宣言が発令されて経済が大きく落ち込むなど国難と言える状況となりました。
そして8 月28 日、それまで国民全員にマスクと10 万円の給付金を配ることを決めるもコロナ対策が遅い、ズレていると批判されてきた安倍晋三総理大臣（当時）が健康上の問題を理由に首相辞任を表明。その後を受けて、菅新政権が発足したのです。
■鬼滅の隠し模様にも気付いてほしい……
そこで今年の「歳の印」は、新型コロナウイルスの未曾有の患禍と、混迷した政治状況の象徴として、アベノマスクを着けた２代の総理大臣の肖像をモチーフに選出しました。
また、年後半はアニメ映画「鬼滅の刃」が空前のヒットとなりコロナ禍の中で明るい話題となりましたが、
宰相２人の背景に同作品 のヒロインの着物の柄である「麻の葉模様」をあしらいました。麻の葉模様は古来、魔除けになるとも信じられており、この日本の伝統文様をハンコに刻むことで、コロナウイルスの災厄が１日でも早く収束するよう願いを込めています。
■『 歳の印 』とは ～ ハンコは便利で楽しい日本の文化です
年末が近づくと、「１年の世相を表す○○」、という様々な取り組みがおこなわれますが、 『歳の印』は日本の文化である印章（ハンコ）で世 相を表現するものです。しかも、一流のハンコ職人が風格を与えた表現で製作し、毎年発表することで『歳の印』がその年のシンボルマークの ように記憶されることを願っています。数年後にこの印影（ハンコを捺したもの）を振り返ったとき、「そうそう、これって 2020 年だった」「あの年 の絵柄はコレだったよね」と話題にして頂けるようになれば幸いです。
